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3大行事 うんどうかい
春から園庭やお散歩など戸外でのびのびと遊び、夏には水遊び、プールあそびで思いっきり身体を動かして楽しく遊んできた子どもたちは、9月に入ると運動会に向けてのあそびや練習がはじまります。
運動会は、子どもたちの普段の生活の中から、特に体育的な経験を見てもらう行事で、年間通して行われている保育の一通過点であり、保育の方法の一到達点と考えています。
子どもの年齢や成長段階に応じて動きのパターンを組み合わせたり、ゲーム化して運動しながら、チャレンジしていく心、冒険心を、友だちと協力したり、競ったり、音楽に合わせて踊ったりしながら、子どもたちに自信と意欲をもたせ、みんなで力を合わせてひとつの事をやり遂げたという達成感を味わうことにより、共同の仲間意識が育っていきます。
何よりも「身体運動を楽しむ」「みんなで楽しむ」ことを大切にしています。
0歳児から5歳児までの全園児、父母、保育者、地域から、卒園児が共に楽しく一日を過ごし、一体感を体験して、それらの雰囲気が、皆と共にいる楽しさを感じさせるのが運動会です。
〇開会式は、5歳児がプラカードを持って、各クラスの先頭に立ち、園児を誘導しての入場行進ではじまります。
その姿からは“自分たちのうんどう会”と言わんばかりの表情が伺えます。
〇種目のトップは、かけっこです。
0、1、2歳児は前方で待ち受ける保育者のところまで、ヨーイドン!
「ここまでおいでー」と大きく広げた両腕の中に、笑顔でとび込んでいく子どもたち。
3歳児は15m、4歳児は20m、5歳児は25mの直線をゴールテープめがけて全力疾走。
真剣なまなざし、走り終えた満足感は感動の一瞬です。
各年齢の成長段階が一目瞭然のかけっこです。
■0歳児
慣れ親しんだ遊具や用具を成長段階に応じて園庭に出し、出来る限り日常と川あらない環境のもとで遊べるようにしています。
お部屋のプレイクッションやすべり台で、斜面・階段をよじのぼる・すべりおりる、トンネルをくぐってバァー、ボールをポン、乗用玩具にまたがったり、立って押したり、アンヨやハイハイ、そしてお父さんやお母さんとのあそび………何をしてもかわいいですね。
■1歳児
部屋からとび出して園庭に出てみると、そこには大好きな遊具がいっぱい。
のぼる・おりる・またぐ・くぐる・とびおりる・ぶら下がる・段差をぴょん……遊んでいる最中に、大好きな乗り物や動物が現れてまねっこしたり、一緒に遊ぶかわいいしぐさや言葉が聞かれます。
■2歳児
運動会への期待もでて来て、設定の中で自分自身のつもりになりきって遊べるようになります。
「イチゴ狩りにいこう」「やぎのがらがらどんになってお山までいこう」……現地までバスに乗り、降りて歩いていると雨がふってきたよ、急いでいこう、アッ水たまり!
カエルさんがいるよ……橋(ハシゴ)を渡り、山(戸板の斜面)を登り、とびおりて(巧技台)山下り……リトミックや色々な運動遊具でみたてつもりあそびを楽しみます。
やりたいけれど見られていると、恥ずかしさや緊張感で動けなかったり、又反対に、はしゃぎすぎたりという場面も。
■3歳児
ごっこあそびが大好き。ある時は猫になり、子やぎになり、どんぐりぼうやになり、消防隊になり、忍者になり……バランスをとって歩く、よじのぼり、とびおり、くぐりぬけ、ケンケンやポックリで、いろんな役になりきって遊びます。
親に「みててや!」との余裕や、みんなでやって楽しかったという共感関係が育ち、目標をもって取り組み、少し先のことを見通して待つ事もできるようになります。
■4歳児
足・腰・腕の力がしっかりとついてきて、いろいろな運動あそびにチャレンジする姿が見られるようになります。
又、5歳児へのあこがれから同じようにやってみたいという気持ちも表われます。
筋力も作られつつあり、鉄棒・とび箱への挑戦や、バランスをとって斜面のはしご渡りも見どころ。
友だちへの励まし・援助・努力に気づいて、みんなの事が考えられるようになります。
みんなが力を合わせたらできた、みんなががんばったと子ども自身が感じられる取り組みを通して、友だちと一緒にする楽しさや喜びを経験していきます。
■5歳児
「最後の運動会だから、かっこよく、楽しくやりたい」という気持ちが自分自身の心身をコントロールしながら、活動の取り決めや、準備から片付けまでをやりこなしていきます。
戸板・のぼり棒・とび箱・なわとび・竹馬・リレー・鉄棒・逆上り等、演技や競技に真剣に取り組む姿が、5歳児らしい緊張感をつくり出してくれます。
幼児合同創作リズムでは年中・年少児をリードし、又競技中の他クラスの手伝い(ゴールテープ、用具の出し入れ)は、5歳児ならではの役割となっています。
〇当園の運動会の名物になっているのが「幼児合同の創作リズム」です。
これは、日常保育の中の異年齢交流を行事につなげようとの試みから1988年(昭和63年度)から取り組み、『スイミー』から始まり、2019年(令和元年度)の「アラジンとまほうのランプ』で32回となりました。
子どもたちの好きなお話の中からテーマを選び、3歳・4歳・5歳児がそれぞれの役割を決めて、曲選びから振り付けまで保育者と子どもで創作します。
各年齢がそれぞれの役割を果たし、協力なしでは出来あがらないもので、約20分の演技は見どころがいっぱいです。
運動会が終わったあともこの『幼児合同リズム』は、幼児ぐみも含め全年令で遊びが続き、いろいろな役柄を自分で選び年令のわくを越えて1つのお話の身体表現を楽しみます。
小さい子どもたちも見て学び、自分なりに表現を楽しむ、衣装をつけてなりきることを楽しみます。その役をした幼児の子どもたりが、自然に“先生”を買ってでてくれます。
発表することが目的ではなく、通過点となり、主体的な遊びとして、全園児に広がる・・・異年齢ならではの育ち合いにうれしくなります。
〇各年齢ごとに親子競技も取り入れ、親子の触れ合い、一緒にがんばって楽しむことも大切にしています。
〇卒園児競技も毎年恒例で、1年生~父母になった卒園児までが参加。なつかしい保育園で、その頃によく遊んだ『缶ぼっくり』『竹馬』『三輪車』を選んで競争します。大きくなった園児に会える職員の楽しみでもあります。
〇保護者競技では、この日ばかりはお父さんお母さん方も童心にかえり、競技参加へ熱が入ります。子どもたちも大声援を送ります。
〇運動会の最後を飾るのは、親子フォークダンス『コアラだっこ』全てをやり遂げた子どもたち、そしてその頑張りを見とどけた父母。
どちらも満面の笑顔で、この時ばかりは心より幸せを感じるひとときとなります。
♪ネェネェネェネェ お母さん~だっこして・おんぶして・ネンネして コアラだっこ~♪
こうして取り組んだ運動会は、決して当日一日だけのものではなく、“自分たちで決めたことをやりきった”という自信が、次の活動への意欲につながっていきます。