京都市伏見区の社会福祉法人 紫山(しさん)福祉会 大受保育園(おおうけほいくえん)。

3歳児 こりすぐみ

〇健康な身体で力いっぱい遊べる子

〇自分から進んであそびにとけこみ楽しめる子

〇次第に語いを増やし自分の要求や欲求を相手にわかるように話せる子

〇感動を素直に表現できる子

〇自分のことは自分でできる子

☆生活の中で

4月、乳児組から幼児組になったこりすぐみの子どもたちは、新しいかばんや黄帽子をとてもうれしそうに身につけて、大きくなった喜びをかみしめてぴかぴかの笑顔でやってきます。

帽子、通園かばん、上靴、体操服は、子どもたちのお兄ちゃん、お姉ちゃんになったんだという気持ちをよりいっそうくすぐる様で、その姿はとても可愛らしく見えます。

幼児組になり、自分のことは自分でできる力をつけていく一年になります。

しかし、まだ個人差も大きく、最初は一つひとつやりこなす事が精一杯で、自分自身の周りのことにあたふたしている姿や、今何をすべきなのか見通せない子が殆んどです。

保 「今日は寒いし、半袖の上から長袖きてやー」

子 「これ長袖?」

自分で引き出しの中からさがして着ます。

気持ちの中でも「上手にできるかできないか」が気になったり、失敗したことやうまくいかなかったことで「やっぱりできひん」と自信をなくしてしまうこともよくあります。

そんな気持ちをうけとめながら、ていねいに一人ひとりに合わせて生活の中のいろいろな場面で、少しでも自分でできることが自信となる様に、たっぷりと時間をかけて援助していきます。

お帳面をだして「今日はここやんなー」と

カレンダ―を見ながら同じ数字の所にシールを貼ります。

☆お手伝いの中で

少しずつ見通しをもった生活を送っていると、だんだん自分の身のまわりのことに目が行き、色々なお手伝いを ”自分からしたい” とやりたがる様になります。

トイレのスリッパを並べてくれたり、園庭を掃除していると、ちりとりをさっともってきて手伝ってくれたり…。

給食前に机を配置し、テーブルクロスをかけてくれたり、友だちが食事中にこぼした事に気付くと、さっと台フキをとりに来て拭いてくれたり…。

午睡前の布団敷きや、午睡後、敷いていたゴザを片付けることも大好きな子どもたちです。

お手伝いの中で「ぼくがするの」「わたしがするの」と自己主張の激しい年齢で、トラブルに発展することもよくありますが一人ひとりのやりたい気持ちを大切にしながらも、トラブルの中で、自分と同じ思いの友だちがいることに気付かせながら、交代や順番ですること、また一緒にすることも経験していきます。

「先生、やったげる」「ありがとう、助かるわ」と対話を重ねながら、子どもの小さな自尊心を育てていきたいと思います。

大好きな絵本の主人公をアップリケ

したエプロンエプロンをつけることで、気持ちも高まり、お手伝いも楽しくなります。

最初は自分で…と、けんかになったりも

しましたが、少しずつ友だちと一緒にする楽しさがわかってきます。

「トイレのスリッパならべといたでー」と気付いた子どもが並べてくれます

~子どもの気持ちに寄り添って~

毎日子どもたちと一緒にいると、子どもたちの心が揺れ動いている姿をよく見ます。

すごく張り切って登園していた子が、突然「ぼく、お兄ちゃんやめた」とあんなにあこがれだった通園カバンを放りなげて家でミルクを飲みたがったという話や、友だちができてくる中、ちょっとしたことですねたり、「〇〇ちゃんなんか大嫌い」「もうせーへん」とみんなの中に入ってこない様なこともおきます。

「ぼくもみせてな」「いいよー」「これ何?」

一冊の本でも友だちとみられるようになります。

クリスマス会の時、12月生まれのHちゃんは、暗幕のひかれたホールで、みんなのお祝いをうけてサンタクロースに会える事を楽しみに大勢の前で名前をいったり、クラスの友だちと歌ったり楽しく時を過ごした後一番に笑顔で「Hちゃん、泣かへんかったで」と言いにきた事があります。

Hちゃんは小さいころ暗闇が怖く大泣きするので、よく保育者のひざの上に座って行事に参加していたのですが、本人は『みんなと同じように泣かないで参加したい』と思っていたのでしょう。

『わかっているけど、気持ちがついていけない』という事はいっぱいあります。

その困った行動だけにとらわれず、保護者は、子ども自身がいろいろな葛藤を乗り越えて、弱い心をぐっとこらえる姿や気持ちを切り替える姿を見守れる様に心に寄り添う時間を保障しながら、子どもが前向きに成長しようとする過程を大切にしています。

大好きなごっこあそびの中で友だちとつながろう!共感関係を広げよう!

この頃の子どもたちは、気のあう友だちを見つけて一緒にままごとあそびをしたり、ヒーローごっこをしたりすることが大好きです。

クラスみんなで絵本を見る時、ちょっと雰囲気を変えてカーテンを映画館風にしてあげると、みたてつもりの世界が広がり、ジュースやお菓子を食べるまねをし始め、友だちと楽しく絵本を見ることができます。

おやつを配る時も、保育者がお店やさんの様に「いらっしゃい!いらっしゃい!」と売り手を始めると「〇〇下さいー」「いくらですか?」「スタンプカードにスタンプ押してー。」等とお客さんになっておやつを買いにきてくれ、会話もはずみます。

<トイレットペーパーをちぎって紙粘土作り>

<お店やさんごっこ>

今日は小さいお友だちがお客さんです。

園庭では遊具の下を子ヤギや子ブタの家にみたてて遊んでいる子どもたちに、狼役の保育者が近づいていくと、絵本の中の役になりきって言葉のやりとりを楽しんだり、追いかけられて逃げる鬼ごっこの様な遊びに発展することもあります。

高いところからなかなか飛び降りることができなかった子どもが、ヒーロー気分になりきる事で、飛び降りることができたということもあります。

何かになったつもりで遊ぶ事がいかに子どもの気持ちを高揚させるかがわかります。

<ヤキソバやさん>

「キャベツも入ってるで」「ソースかけたで…」

「おいしそうやなぁ」

室内では毛糸や紙を具材にして焼きソバやうどんなどを作ってお母さん気分、またみんなでちぎったトイレットペーパーに水・糊をまぜて作った紙粘土を使って、お弁当の具材やアイスクリーム等を作り、お店やさんごっこに発展することもあります。

ままごとなどの様に生活の出来事をまねて遊ぶごっこあそびから、さらに発展して、次第に自分の経験したこと、大好きな絵本の再現、広範な日常生活の模倣もできる年齢に入り、2歳児期とはまた違ったごっこの世界を楽しめます。

楽しいごっこの世界を通して子ども同士の共感関係を広げ、みんな遊ぶ楽しさを感じることによって友だちへの理解を深め、互いに認め合う関係が育っていきます。

<洗たくごっこ>

「せっけんはいいにおい♪♪

お母さんのにおいやなー」

<電車ごっこ>

「電車が発車しまーす!お乗りください~い!」

「次は〇〇駅~。ドアが開きます。

お気をつけ下さい」

おしゃべりの中にかわいい子どもの思いがつまっています。

しゃべることがぐんと楽しくなる年齢です。

「なんで」「どうして」の疑問から子どもなりの理由づけの中に、大人ではなかなか思いつかないかわいいつぶやきも日々聞かれます。

この年齢では、言葉をつかって自分のイメージを表現したり、友だちと会話を楽しむ時間を大切にしています。

「はい ポーズ」

「かわいくとってや」

「いいよー」

子どものつぶやき

■給食の時
貝のおつゆがでたとき
保「お口閉じている貝は食べないでね」
子「寝たはる貝は起こしたらあかんねんなー」
■梅雨の時
雨が降っている夜に
母「ホタル 見れへんな」
子「ホタルさん かっぱ着てきたらいいのになぁー」
■運動会の万国旗が風になびいているのを見て
子「先生、旗がゆらゆら踊ったはるなー」
PAGETOP