京都市伏見区の社会福祉法人 紫山(しさん)福祉会 大受保育園(おおうけほいくえん)。

1歳児 あひる組

〇健康な身体で物や人としっかりかかわって遊べる子

〇言葉や態度で自分の要求や欲求をあらわせる子

〇模倣あそびのいっぱいできる子

〇自分でしようとする意欲のある子

”ジブンデ”を大切に

「これ何だろう」「さわりたいな」「知りたいな」という気持ちは、1才児の原動力!

そんな子どもたちの気持ちが満足できるように、散歩や園庭遊び、室内でも探索活動を楽しめる、ゆったりとした時間と安全な環境の工夫を心がけています。

 

☆ひとりあそびの充実と探索活動の保障

園庭では…

遊びなれた場所でアスレチックやすべり台、泥・水・砂あそびなど、興味のあるあそびや場所が自分で見つけられるように十分時間をとり見守っています。

保育者が一緒に遊ぶ中で、他のクラスのお兄ちゃん、お姉ちゃんや友だちに関心を持ったり、遊んでもらうきっかけをつくり、あこがれの気持ちや友だち関係、あそびが広がるように心がけています。

春からできるだけ園庭に出て遊ぶ機会を多く持つことで、身体を動かしてあそび、夏のプールあそびを経て、秋頃には、腕に力がつき、足腰もしっかりしてきます。

すべり台の登り降りもスムーズになり、自信がついてくると大きなアスレチックにも挑戦しています。

両手での操作ができるようになり、スコップで砂をすくっては、お茶わんに入れたり出したりをくり返し遊ぶのも大好きです。

散歩では…

自分の足で歩けることが嬉しくて、その力を使いどんどん視野を広げ、活動範囲も広くなっていきます。

見たりさわったり、発見したりが楽しめるようにコースや場所を考え、少人数でぶらぶら散歩にでかけたり、目的地でいっぱい遊べるように散歩車ででかけたりしています。

その中で、子どもたちは見つけたものを指さし、「あっ!あっ!」と声をあげたり、「わんわん!」と言葉で保育者にとてもうれしそうに教えてくれるので、一人ひとりの喜びや発見に寄り添い、「わんわん かわいいね」「どんぐり たくさん落ちてるね」と共感し一緒に楽しんでいます。その経験の中で具体物と名前が結びつき言葉が増えていきます。

「あっ なにかみつけたーー」と ひとりの子が見つけたものに みんなも興味津々に集まってきます。

室内では…

いたずら心いっぱいの子どもたち。

いつも保育者が「これで遊ぼう」と玩具などを出すのではなく、自分たちで「ここには何が入ってるのかな?」「ちょっと出してみよう」と好奇心をくすぐるおもちゃの引き出しなどを用意し、中にはその時の子どもの興味のありそうな物を用意し入れておきます。

そして、自分たちで見つけて子どもなりに考えたり試したり、もて遊ぶ事で新たな発見や楽しさが「また遊ぼう」「今度は何をしようかな?」という次への意欲につながっていってほしいと思っています。

発泡スチロールのお皿や容器を出してきて、半分はちぎって食べ物にみたてて、仲良くままごとをしています。

保育室に、くり返しのある身近な生活を再現した絵本を用意し、絵本コーナーを設けて、子どもが興味あるものを自分で選んで出して見られるようにしています。

「読んで」と持ってきた時は、ゆったりと一対一でひざの上で読むようにしています。

こうしたふれあいの中で、子どもたちは、指さしをしたり、おしゃべりを楽しみ、本の中の食べ物を「パクッ おいしいねー」と食べるまねっこをしたり、読み終わった後 「買い物にいく」とままごとコーナーに行って、絵本と同じ物を持ってくるなど、あそびが広がっていきます。

☆自我の芽生えと人とのかかわり方を学ぶ

◎保育者とのかかわりの中で…

お母さんから離れる不安な気持ちを受け止め、まずは、心のよりどころとなる大人との一対一の関係を築くために、ゆるやかな担当制を取り入れています。

担当の保育者が一人ひとりの好きなあそびを一緒にみつけ一緒に遊び、楽しさを共有したり、共感したり、毎日一緒に給食を食べたり、身の周りののことを手伝ってもらう中で、その子にとって”大好きな大人”という存在になれるよう心がけています。


「お片付けして お部屋に帰ろう」

「いや~~」

「おいしい給食 待ってるよーー」

「一緒にヨーイドンでお部屋に帰ろう」と目先を変えたり、

「今日は○○ちゃんの大好きなパンやてー」と期待を持たせる言葉がけをしながら、「まだ遊びたい!」から「お部屋に入ろう」と自分で気持ちを切り替えられるように見守ったりしています。

気持ちを切り替えて、お部屋に帰ってこられたとき、保育者に誉められると、とても嬉しそうです。

自我(自分の自覚)が芽生えてくると、したいこと、して欲しいことなどが、言葉で表現できなかったり、思うようにいかず大泣きしたり、駄々をこねて大人を困らせることが多くみられます。

そういう時は、「どうしたの?」と声をかけ、子どもの指さしや片言、身振りなどで伝えようとする気持ちを保育者が汲み取り、「~がしたかったの?」「~が欲しかったんやね」と言葉で思いを代弁し、気持ちに寄り添うことで「自分は理解してもらっている」という安心感が持てるようにしています。

大人が何でも先に「これ 着てね」「これ はいてね」と用意するのではなく、「うさぎのTシャツか、お花のTシャツ どっちにする?」と言葉をかけ、子どもが自分で選んだり、楽しく脱いだり着たりできるようにしています。

「自分で!」とやりたがり時間はかかりますが、大人がゆっくりと見守り(時にはさりげなく介助しながら)「自分でできたね」と自分でできた喜びに丁寧に共感しながら「またやってみよう」「もっとやってみよう」という意欲につなげるようにしています。

◎友だちとのかかわりの中で…

一語分、二語文を話しはじめ、言葉の数がどんどん増えると、友だちにも目が向くようになり、「〇〇ちゃんまだ?」と友だちの登園を楽しみに保育者に聞いてきたり、同じあそびに興味がある子どもが自然に集まって、平行あそびが見られるようになってきます。

その分同じ玩具や絵本をめぐって、自分が使いたいという気持ちが先立ち、思わず取ってしまったり、たたいてしまったり…とうケンカが起こります。

保育者は「どうして人の物を取るの?」「ダメでしょ!」と言うのではなく、まず両方の子に「どうしたの?」と声をかけ、それぞれの気持ちを聞き、思いを言葉に換えてあげることで、自分の思いを言葉で伝えたり、相手の思いを知る手助けをします。

対等な関係の友だちとの間で、何度も自己主張し、貸したり借りたり、自分の思いに折り合いをつけていく経験をすることで、一緒に遊べるようになっていきます。

言葉はなくても気持ちで通じ合う関係が、子ども同士の中ででき始め、大好きな友だちと一緒なら少し頑張ったり、我慢するなど、仲間の中で育ち合うことを見守り大切にしています。

保育者から「食べようね」と言われても「イヤー!」の一点張りで、横を向いて怒っていても、友だちがスプーンで口元まで持ってきてくれると「アーン」と大きな口を開け食べて微笑み合っています。

「○○ちゃん がんばってるね」と保育者が誉めると「△△ちゃんもー」と頑張って着ようとしています。

はじめは見ているだけだった子も、楽しそうな友だちの姿に「ちょっとやってみようかな?」と興味を持ち自分からあそび始めました。

みんなでペタペタ楽しいね。

狭いところが大好きな子どもたち。

保育者 「みーつけた!」

子ども「キャー!みつかっちゃったー!」

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