保育の中で大切にしていること
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伝承あそび
<あやとり>「ほら見て出来たで!」
今の子どもたちは、自分の気持ちを言葉でうまく伝えられなかったり人の気持ちを思いやることができないなど、人とのコミュニケーションがとりにくくなってきています。
最近では、人とかかわらなくても機械を相手に一人で楽しむことができるゲームがあそびの主流となっていることがその原因のひとつにあげられます。
昔は、サイコロを振り、数人で盤を囲んで楽しむものやルールをきめて集団で遊ぶことを“ゲーム”と言っていました。
今のゲームは無言で画面に向かい、夢中になるとその世界に入り込み、小さい子は実生活と画面の中の世界との区別がつかなくなってしまう子もいるようです。
小中学生になると友だち同士集まって遊んでいても、それぞれが別々のことをして個々に楽しんでいてその場に一緒にいるだけという現象がおこってきています。
それに対し、昔のあそびは自然に人とのコミュニケーションがとれるあそびではなかったでしょうか。
園で取り入れている竹馬もそのひとつ。
年少組から缶ぽっくりや天狗げたで遊び、年長組になって身体のバランスがうまく取れるようになってくると竹馬に挑戦です。
足の指に豆を作ってはつぶし痛い思いをしながらもこつこつ練習していくと一歩ずつ歩けるようになってきます。
友だち同士良い刺激を受け合いそれがクラス中に広がって、自分も乗れるようになりたい・長い距離を歩きたい・もっと高い竹馬に乗りたいなどとそれぞれが自分の目標をもってがんばり、その成果が実感でき達成感を味わうことのできる竹馬。
乗れるようになると次は後ろ歩き・横歩き・くるくる回る・ケンケンなどの技にも挑戦していきます。
その姿を憧れの目で見てはじめだす年中組さん。
年長組さんは得意顔でやさしく教えてくれます。
お正月あそびを機に取り組むこま回しは、昔を思い出してお父さん・おじいちゃんが教えてくれて親子で楽しむことができます。
まずはひもを巻くことから。強すぎても弱すぎてもうまく巻けず、微妙な力の入れ加減や投げ方のコツなど何
回も失敗を繰り返すうちに身体で覚えていきます。
友だちとどちらが長く回るか競争したり、手のひら乗せ・下敷き乗せなど、竹馬同様に技に挑戦する楽しみがあります。
他にもお母さんやおばあちゃんに教えてもらうあやとり・お手玉・まりつき。
人々の手から手へと伝えられ受け継がれれきた折り紙。
戸外で身体を動かし遊びながら自然に体力がつくゴムとび・大繩。勝つ楽しさ・負ける悔しさを味わい、社会性を身につける鬼ごっこ・わらべうたあそび。
<下駄かくし>今は下駄のかわりに上靴で
これらのあそびは、友だちと一緒に言葉を交わし、感情をぶつけ合って心を通い合わせ、肌を触れ合い楽しみながら指先や全身を使うあそびです。
昔は、それを伝えてくれる祖父母や同年齢・異年齢の友だちが身近にいましたが、核家族化が進み伝えていく人がいない今、まず大人がやって見せて子どもたちが伝え、共に遊び育ちあえる縦割りの関係を生かしたコミュニケーションが体感できるあそびを大切に伝承していきたい思います。
「しっかり持って一歩ずつやで…」と優しく教えてくれる年長さん
<竹馬>
<天狗げた・缶ポックリ>
誕生日会の場を利用して
昔ながらのあそびやクラスでしているあそびを伝えています
<こま回し>
年長組が他のクラスへ伝授
<まりつき>
年長組が他のクラスへ伝授
<せっせっせ>
<ゴムとび>